パルタージュ  メールマガジン 2026年6月号

カレンダーが6月に変わり、窓の外の木々が一段と深い緑色に染まる季節を迎えました。

季節の変わり目で少し蒸し暑さも感じる時期ですが、皆さま、いかがお過ごしでしょうか。

 

今月の『パルタージュ』では、
「予期せぬ急変」と「医療への信頼の揺らぎ」  に焦点をあてています。

コラムでは、順調だった治療の中で起きた予期せぬ状況により、

医療への信頼が揺らいでいく心の葛藤が描かれています。

 

行き場のないお気持ちを語り合える場や、

専門家とつながる安心を大切にしていただければ幸いです。

今月も、皆さまのもとに小さなあたたかさが届き、
そのお気持ちをそっと支える時間になりますように。

 

※『パルタージュ』とは、フランス語で「共有する、分かち合う」という意味です。

今月の一言メッセージ
「これからのとき 大切な方を亡くしたあなたへ」(財団法人日本ホスピス・緩和ケア研究振興財団)の冊子より、毎月一言ずつメッセージをお届けします。
連載コラム

「あのとき、いてほしかった人」

小児がんで娘を亡くした経験をもとに、支えのかたちを語る全12回の連載です。

 

高下裕子(こうげ・ひろこ)

小児がんで小学生の娘を亡くした経験を経て社会福祉士となり、小児がん相談支援や遺族支援に携わる。現在もグリーフケアの実践を続けている。

第3回 順調だったはずの治療

五回目の治療のとき、感染が起きた。

それまで熱も落ち着き、「もうすぐ次のクールも終わるね」と話していた矢先だった。退院の目安も見え始め、私はどこかで安心していた。

けれど、高熱が続き、娘の様子は急に変わった。視線が合わなくなり、手の力が抜け、やがて言葉も出なくなった。昨日まで笑っていたわが子が、目の前で少しずつ遠ざかっていく。何が起きているのか理解できないまま、時間だけが過ぎていった。

ICUに入り、機械の音に囲まれながら、私はただ祈るしかなかった。医師の説明を聞いても、頭に入らない。「どうして?」という問いだけが胸の中で繰り返された。

やがて「家族で過ごせるように」と個室へ移った。数か月後には退院するはずだった未来が、一瞬で消えた。事故に遭ったような感覚だった。医療を信じていた心が、静かに、しかし確実に揺らいでいった。

地域文化と響き合うグリーフケア

「認定NPO法人京都自死・自殺相談センターSotto」

大切な人や身近な人を自死で亡くされた方のための時間「そっとたいむ」を開催しています。 悲しみ、寂しさ、後悔、怒りなど、周囲には話しづらい思いや、うまく言葉にならない気持ちを、相談員が大切に受け取ります。2026年度からは、開催時間中に自由に出入りできる形となり、ふらっと来て過ごすこともできます。事前予約があれば個別面談も可能です。話しても、話さなくても大丈夫な時間を大切にしています。

 

京都自死・自殺相談センター事務局

山口智美

ご遺族が思いをともに分かち合う集い
がんなどで大切な人を亡くされた方が、日々の生活のなかではなかなか話すことのできない思いを分かち合う少人数の集いを開催します。あなたの経験やお気持ちを話してみませんか。
日時:2026年6月12日(金)10:45~12:15
場所:風伝館

〒602-8024 京都府京都市上京区室町通丸太町上る大門町253番地

参加費:無料
定員:6名(事前予約制)
           予約は2026年6月11日(木)12時〆切
スタッフからの一言

季節が移り変わり、柔らかな木漏れ日や穏やかな風に心が安らぐ一方で、ふと心が追いつかないような気持ちになることもあるかもしれません。

どうぞご無理をなさらずに、ご自身のペースでお過ごしください。

いつもメルマガをお読みくださりありがとうございます。E.M

次回の配信日は2026年7月3日(金)になります。
NPO法人ともいき京都の活動情報は下記よりご確認ください!

下京区, 京都市, 京都府, Japan